2014年4月2日水曜日

届いた訃報

ずいぶんブログを放置してました。

20年も前、私がまだ駆け出しのフリーライターだったころ、初めての海外取材をご一緒したカメラマンが亡くなりました。正確に言えば、昨年亡くなられたそうです。まだ40代後半、たくさんの雑誌や書籍の撮影をされ、天才肌と呼ばれていた方でした。

当時、まだまだ経験不足の私が、すでに名前の知られたカメラマンと仕事をするのは正直プレッシャーでした。しかも不慣れな海外で、日本のように正確に物事が進まない東南アジアでの取材。アポイントを入れたはずの店が閉まっていたり、罰金目当ての警官に不当に取り締まられてしまったり。

いちいちビビって落ち込む私に、「大丈夫、大丈夫。命がなくなるわけじゃなし!」と言ってくれたカメラマンの笑顔が思い出されます。命、なくしちゃったらだめじゃないですか。

海外で仕事をすることの大変さと面白さを、一番最初に学んだのもこの取材でした。

いまなら当たり前ですが、日本の常識は通用せず、主張しなければ相手にされず、自分自身をしっかり持っていないと挫けてしまう海外での時間。そのぶん、現地の人と共感できたり、親切にされるとほんとうに嬉しくて、思わず泣いてしまったことも覚えています。

20年が経って、自分の息子を海外へ連れ出そうとした矢先、届いた訃報。私が数年、仕事から遠ざかっているあいだに、彼は病気で仕事がままならなくなり、失意のなか亡くなられたそうです。残念でなりません。出発前の慌ただしさに、ちょっとブルーな気持ちになりがちな私に「大丈夫、大丈夫」と言いにきてくれたのでしょうか。

満開の桜に、流れる時間を感じます。

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